そちらの世界でも「トーナメント」という言葉が今日でも使われていることでしょう。
トーナメントというと、格闘技の世界を思い浮かびがちですが、本来の意味は「馬上槍試合」
なのです。闘うことに変わりはありませんが・・・(^^;)
トーナメントの種類は主に以下の2種類あります。
種類 | ジョスト(joste) | トゥルネイ(tourney) |
対決 | 1対1(個人戦) | 複数対決(団体戦) |
使用武器 | ランス) | ランス・剣(下馬時) |
勝負方法 | 双方突撃し、すれ違った時に 相手をランスで突き落とす |
一定の柵の中で敵を倒す (乱戦のような感じ) |
当時のトーナメントは、古代ローマ時代のように殺し合いはしませんでした。
参加する騎士 は、持つ武器に配慮して刃先(槍先)を丸くして相手が傷つかないようにしなければなりませんでした。
相手を殺したりすると、法的処分だけではなく、自分の名誉等も失われる事にな り兼ねないからです。
勝敗の方法は、相手を落馬させる、これだけです。至って簡単ですが、馬を標的としたりす るなど、ずるいことをすると少々厄介なことになるのである程度の配慮は必要でした。
万が一槍が落ちる、又は折れてしまった場合、3回まで槍を取り替えて戦う事がだきました。
それでも決着が着かない場合は馬から降りて剣で戦います。
勝利すると、自分の名誉 や賞金が手に入るので「賞金稼ぎ」と言われた人は後を絶ちませんでした。 ランスは切先(先端)を丸くし、(あるいは王冠状に)騎士の手を護る護拳(バンプレート;現在のフェンシングでも用いられている)の幅を広くしました。これらの工夫により、実戦で使われているランスと重量が違うことに変われはありません。(トーナメント用は折れやすい木製が大半を占めていました by作者)
防具も、オリジナリティーあるものに変化しました。
左胸は相手のランスが突き刺す(狙う)対象になっていたので、その部分だけ強化しました。鎧とは別に鋼の小盾がつけられています。首元などにも特別な防具が施されています。
騎乗する馬にもきちんとした対策がしており、馬の体がトンできた破片などで傷つかないように、全体を布で覆っています。
場合によっては馬の目も覆う処置をしています。でも、かなりの重量なので馬も大変だったでしょうね。鉄の固まりを載せているようなものですから。
時代の流れにその姿が変わっていくトーナメント。
しかし、己の力を磨き、強者に立ち向かっ
ていくという体制は、全ての歴史を通して変わらないことでしょう。