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〜おちゃめな顔は魂を沈める/ハロウィンの意味〜


日本でも少しずつ浸透してきた「ハロウィン」。一般には中身をくりぬいた「お化けかぼちゃ」(ジャック・オ・ランタン)をつくったり、魔女やモンスターな どに仮装して街中を練り歩く、というものですが、中世の世界ではどのように祝 われていたのでしょうか。

ハロウィンは、もともとケルトの祭り「サムヘイン」との融合された形といわれています。サムヘインは11月1日に祝され、人々は先祖の魂や精霊達を迎えるため に仮面をつけ、かがり火をたいていました。普段は閉ざされている霊界の道が開 かれる日として、喜びの時でもあり、恐怖の日でもあったのです。
キリスト教でも同じ日にすべての霊をまつる万霊節(All Fulls day/All  Seints Day)があり、サムヘインに似た祝い方をしていました。 この祭りで重要なのが「かがり火」です。火はさまよう魂を呼び寄せる力をもっているとされていることから、かぶの中に火を灯す習慣ができました。これがジ ャック・オ・ランタンです。
同様に、2月にも「ラブ・ランタン」というのがあ り、ここにもかがり火を灯しています。ちなみにかぼちゃの「ジャック・オ・ラ ンタン」はルネサンス以降に登場したもので、もともとはかぶなどが使われてい ました。

また、きたる冬に備えてどのような未来が待っているのかを占う習慣もありまし た。現代でもよくみかける「アップルボビング」が良い例でしょう。 アップルボビングとは、広い容器の中に水をはり、そこに思いを寄せている人の名前を書き込んだ(または彫り込んだ)りんごを数個浮かせます。その後、口でお目当てのりんごを口でくわえてとります。
見事1回でとることができたらその 恋は成就し、3回・4回ととれなかったら恋は終わってしまうということを暗示 しています。当時の貴婦人はこぞってこの占い(ゲーム?)に力をいれていたこ とでしょう。

仮装の習慣は、もっぱらアメリカで発達したものですが、当時は魔女などの姿に扮して祝っていたことが多かったそうです。それを考えると、今の世界はよりど りみどりな姿ができるので幸せなのかもしれませんね。


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