ワスレナソウ(忘れな草)という花をご存じでしょうか?小さな青色をした華麗な花で、ヨーロッパが原産です。 この花の由来は、ドイツに残されている騎士と娘の悲しい物語からきています。 ある日、恋人同士だった騎士と女性が川の側を散歩していたところ、とても美し い花をみつけました。ただ、その花は 川辺の崖にあり、容易にとることは困難で した。 彼はなんとしてでもその花を彼女に贈ろうと、身を乗り出してその花を 摘みまし た。が、その瞬間、滑り落ちてしまい、川の中へと落ちてしまいました。 前日は大雨ということもあり、普段は落ち着いた川もこの日ばかりは一転して濁 流の牙が彼を遅いました。 女性は必至に 彼を追いかけ、腕をとろうとしましたが、急勾配の崖がその行く手 を阻みます。 騎士は、最後の力を振り絞り、摘み取った 花を彼女に投げ入れ、遠い彼方へと消 え入ってしまいました。 花言葉「私を忘れないで」は、まさにこの物語の主人公である騎士の思いそのも のであったのでしょう。 悲壮な物語から、この花は私たちが済む現代でもしっか りとその思いを綴り続けています。 |