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〜女神の恩恵を受けて/中世の結婚式〜


6月といえば梅雨…もそうですが、女性が敏感に反応する月でもあります。「ジ ューンブライド」といえばあーなるほど、と納得される方もいらっしゃるでしょ う。
そもそもどうして「ジューンブライド」というのができたのかというとローマ神話の愛の女神ジュノー(Juno)から6月(June)が生まれた、というもの。つまり6月の名前が女神ジュノーの月であることから、自然とジューンブライドという言葉が登場したとのことです。

中世のヨーロッパでもどちらかというと6月に挙式を行っていたのが多かったようです。というのもイースター最後のイベント聖霊降臨祭が5月下旬にあるため、 それが終わるまでは挙式自体を自粛していました(地域によって若干の格差はあ ります)。
また、6月は1年の中でも一番気候がよい季節でもあるので、結婚をするには最適の季節だったようです。日本とは逆ですね。 婚約が成立すると、40日間の婚約提示期間を経て晴れて挙式を行うことができます(メルマガ第3号参照)。

さて、ここでちょっと疑問に思うのが2人が結婚したことを証明する記録について、です。ご存知の方もいらっしゃると思いますが、当時は文字を読み書きでき る人が限られていました。つまりほとんどの人は書かれた文字(ラテン語など) を読むことなどができなかったのです。
ビデオやカメラなんぞ当然ない時代、紙 に記録することもできない、という風になると最後には人々の「記憶」がカギと なります。 指輪交換の儀を終えたあと、同席した人々はその結婚が正式に成立したこと・証 明することの証しとしてお互いの顔を殴っていました。そうすることによって同席者にはっきりとした記憶に残り、2人の結婚が成立することになるのです。 こう書くと当時の人は苦労したんだなぁ(もとより頬がヒリヒリするのでは?と思われた方もいるはず)と感心しがちですが、その時代にあった人々の知恵だと考 えると納得がいくものです。

余談ですが、純白のウエディングドレスの習慣ができたのはルネサンス以後、イ ギリス・ヴィクトリア女王の結婚式のときに真っ白なドレスを着たのがはじまりです。中世ではごく一般的なドレス(ちょっと地味色が多かったです)が使われましたので、お間違いのなきよう。


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