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〜学びし宿りは永久にあり/中世の大学〜


「大学」という意味をひもといてみると「学術の中心として、広く知識を授け、 深く専門の学芸を教授・研究するための学校。(三省堂・大辞林第二版)」とあります。それぞれ専門の分野を学習・習得し、社会へ貢献するためのステップとして大学の存在があるわけです。

中世の大学は環境こそ違いますが、入学までに相当難しい「試験」を受ける必要 がありました。その中のひとつがラテン語の習得。当時の人々は読み書きができ る人がほぼ皆無に等しかったので、ラテン語専門学校などに通って習得していました。教科書や講義内容のほとんどがラテン語だったということが主な要因です。

中世の時期の中でもとりわけ有名な大学が各国に現在でも残っています。例とし てはオックスフォード大学(イギリス・1096年頃〜)、パリ大学(フランス)・ ボローニャ大学(スペイン・1088年頃〜 中世最古の大学)などがあげられます。 (※因みにケンブリッジ大学は1233年・ウイーン大学は1365年設立されたとあります)

めでたく大学生になれた人は、医学・法学・神学の3つと自由七科(音楽など) を学びます。人にもよりけりですが、だいたい23〜26歳で大学を卒業することができるようです。神学の場合、諸条件がいろいろとある関係で30歳を超えても学ぶ人は少なくなかったようです。現代でいう、大学をでた後に大学院に…といっ た感じですね。

ただひとつ違うのは授業時間。遅くても朝6時には講義がはじまり(一般の人の 起床時間は4時前後です。これでも遅い方)、だいたい夜の6時頃に終わります。 教科によっては8時9時になることもしばしば。ヘトヘトな状態で明日の授業の準備をするわけですから、遊んでいる暇は全然ありませんでした。その生活にウ ンザリして一般市民にウップンを晴らす学生もそこそこいたようです。


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