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〜体は宇宙のひとつ/中世の医療制度(1)〜


今日、世界各地でさまざまな医療の研究がなされています。ガンの研究・不治の病の研究・健康維持食品の開発…と、人間にとって医学は必要不可欠な存在でも あります。
古代メソポタミア・エジプトなどで生まれた医学の技術は、ローマ・ギリシャ時 代に飛躍的に向上したのは云うまでもありません。

さて、中世ヨーロッパではどうかというと、なかなかもって病気を治すのは大変 だったようです。そのひとつとして、人口増加があげられます。特に大きな都市では一度伝染病などが蔓延するとまたたく間に全体に広がり、下手をすればその町自体が滅びてしまうこともあるからです。 例として1400年代に大流行した黒死病(ペスト)がそうですね。

町医者もいたことにはいたのですが、できることはハーブや薬草などで適切(?) な治療を行うことが主でした。 トレードマークは紫のガウンと赤い手袋。遅い時間(現在の午前6〜9時頃)に ゆっくりと貴族や中流階級の家などに診察にいっていました。
中にはきちんとした勉強をしていないまま診察をして高額な治療費を設けていたやぶ医者もちらほら。外科手術も行っていましたが、麻酔をしないままキリキリと切開していたのですから、当の患者はまさに生き地獄状態だったのでしょう。

手術場所が床屋だったのもなるほどうなずけます(後期では、アヘンなどの麻薬 を使って一時的に眠らせて切開をしていたこともあったようです)。
そもそも、人間が病気になるのは、体の中に存在する4つの元素のひとつが欠け てしまうのが原因であると説いています。4つの元素とは、古代ローマ時代に唱えられたもので火=黄色の胆汁・水=痰・地球=黒色の胆汁・空気=血のことを さします。この4つがバランスよく生成していないとダメ、ということです。


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