春。厳しい冬の寒さに耐えた色とりどりの花たちが目を覚まし、その美しい姿を一斉に見せることができる季節でもあります。人々の心も芳しい香りに癒される
ことも多いかと思います。 女性にとって、もっともその花々が輝きをみせるものが、ウエディング・ブーケではないでしょうか。愛する人との結婚に欠かせないブーケ。自然を愛する中世 の世界にも存在していました。 現代にみられるブーケは、比較的新しく1900年代に入ってから今の形が確立されています。それ以前の時代では、各々の時代風景に合わせた形になっていたようです。 中世においては、「花のブーケ」ではなく、主にハーブを集めた芳しい香りのす るブーケをよく使っていました。場合によってはガーリック(にんにく)など、香りの強いものをつかってたこともあるとか。それには悪魔たちから身を守るという「魔よけ」の役割も果たしていました。 結婚当日、花婿となる男性は、花嫁のために夜明けに花を摘みにいき、ブーケをつくります。花嫁はそれを受け取り、「(あなたの愛を)受入れました」という意思表示をします。花嫁は、もらったブーケの中から一輪の花を花婿に渡し、それを胸につけ、花嫁の愛を改めて受け入れる…。 その伝承が、現代に違った形ではありますが、受け継がれています。 他にも、結婚には参列者がお互いをひっぱたいて記憶する習慣など、独特のものがあったようです。 結婚に関してですが、よほどのことがない限り親同士が相手を決める取り決め制が一般的でした。 当時の人々は「恋愛のもとにおける結婚」ではないという見方 が少なかったのではないかという説もあります。 また、騎士の愛についても「既婚の女性・君主」が条件になっており、あくまでも「騎士道に基づく恋愛(=ホントに恋しちゃダメ)」となっています。 ファンタジーの世界にあるような、自由な恋愛はなかなかもって現実の世界では難しかったようです。 |