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〜人々の余興は「処刑の時間」〜


タイトルを見ただけでぞっとしてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、今回は処刑についてのお話です。
ご覧になりながらお食事をされている方はご注意 を。

中世の時代でよく知られている処刑話はマリー・アントワネットの斬首刑(ギロ チン使用)、ジャンヌ・ダルクの火刑(火あぶり)などがあります。他の種類と しては、手足に縄をつなぎ、その縄を馬が四方にぐいっと引っ張って体を引き裂 く「引裂刑」、木にはりつけてそのまま死を待つ「磔刑」などなど、考えただけ でも恐ろしい処刑制度が樹立していました。

処刑は人のいないところでひっそりとやるかというと、そうではなく逆に人々に 処刑の日時を知らせて「見物」させていました。 お祭り以外、あまり楽しみがなかった人々にとっても処刑の瞬間はまさに楽しみ の一つでした。
先述にあったマリー・アントワネットの時もそうでしたが、処刑台の周りには実 に多くの人々が彼女の死の瞬間を「心待ちに」していました。これは中世の風習 から全く変わっていないことを示します。

まず、人々に処刑する人の名前・日時・場所などを公表します。処刑当日、人々 は広場に設置されている処刑台に集まり、執行の時をいまかいまかと待ちます。 処刑の前に神父に向かって神への許しを乞い、処刑台の前に立ちます。
だいたいは首を吊るパターンが多いですが、斬首人による斬首刑もその場で行わ れていたとされます。その際使用する剣は「エクゼキューショナーズ・ソード」 というちょっと特殊なものです。

処刑後、人々は早々にその場を立ち去り、処刑された人々はそのまま骨になるま で時を待っていました。 処刑の対象は色々な罪を犯した者が多かったですが、魔女裁判のように、無実の罪を着せられた人々も少なくなかったことはいうまでもありません。


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