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ビールは庶民の永遠の飲み物
〜ビール鑑定のノウハウ〜


 
「ビール純粋令」。この言葉にピンときたらビール愛好家ではないでしょうか。
この制度は、大麦・ホップ・酵母・水の4つだけをビールの原材料にせよ、というもので、当時としては革新的な法令でした。
1516年、ドイツ・インゴルシュタットの領邦議会でビール純正令法案を可決させ たのは時のバイエルン公・ヴィルヘルム4世でした。 それまでのビール醸造法は、ホップなどの他にいろいろな原材料を使用していました。
とても相性の良いものもあれば、強い毒性のものもあり。そんなビールを、 「わが国の誇りとする」と提唱したのも彼でした。

ビール純粋令は実にこまかいところまで記述がされています。 例えば、指定された醸造地以外での製造は禁止・指定する期間においては醸造量や価格を制限する・違反した者に関してはビール樽の没収及び相当の罰に処す… といったものです。
もちろん、ビールがきちんと指定されたものでつくられているのかどうかを鑑定 することも必要です。
専門の鑑定官が当時いましたが、その鑑定方法がまたユニークでした。

ある鑑定官が、座ったまま出荷前のビール樽から少量をイスにこぼします。 こぼしたまましばらく座り、一定時間がたった後、イスから立ち上がります。鑑定官が履いているズボンとそのイスがくっついていれば純粋なビールであると判定できるといったものでした。
さぞかし体はビールの香りでいっぱいになったことでしょう。ビール好きであればいいですが。

ちなみに現代の日本各地にある地ビールはこのドイツの純粋令に沿って製造して います。味は若干違えども、中世で決められ、守られてきたものが私達の住む世界、専ら日本でも生き続けているんですね。


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