いよいよ夏本番に突入しようとしています。となると思い浮かぶのが暑い夏を乗 り切るための(特にお父さん方の)必需品、ビールです。 なんといっても一番おいしいのは夏の暑い季節、風呂からあがって一杯でも、涼
しくなった夕方からビアホールでワイワイするのも楽しいものです。 以前、このメルマガでもビールとエールについての解説をしましたが、今回はそれらを支えてきた人々の「影」をおっていきます。 おさらい程度に、ビールの種類について説明します。 ビールは古く古代エジプトなどからつくられてきた歴史深いアルコール飲料のひとつですが、主に「エール」と「ラガー」2つの種類に分けられます。 「エール」はエール酵母を用いたもので、発酵期間が短く、フルーティーな香りのするものが多いです。古代からあったビールもこの中に含まれます。 一方「ラガー」は、ラガー酵母を用いたもので、発酵期間が長く、寒いところで もつくることができます。日本の場合、「ラガービール」と銘打ったものが多い のもあってこちらが主流になっていますが、イギリスやベルギーでは今でもエールが国民的ビールとして飲まれています。 中世の時代にはラガービールがまだ定義されていなかった時代でもあったので (ラガーは15世紀〜)エールビールが主流でした。 当時でも酒造業者がおり、その家族たち総出でたくさんのビールをつくっていました。ロンドンの法律では「酒を販売する場合、王室が定めたもので、製造者の検印がしるされた計量器を使用し、かつ正しい量で販売しなければならない」という制度がありました。 微量の狂いでも値段が変わるものだけあって、慎重な販 売をするようになっていたのです。 しかし、そんな制度を設けたに関わらず、計量器に細工をして高額な資金をせしめようという人々もいました。それが発見された場合、罪を犯した人にその計量器を2つに割って首に吊るし、数日間町衆の目にさらされる刑に処せられていたのです。 他にも、 ○計量器の材質を偽った者 (使用する木材は新しいものでなければなりませんが、 中には油などを以前いれたものを再利用することもありました。これにビールを入れると腐敗するのですぐに見分けがつきました) ○製造チェックにくる役人のふりをして金をせしめる者 (その役人になりすまし た人が、酒造業者をだまして賄賂を払ってもらうというもの。いわゆる詐欺です) これらに含まれる人々もさらし台行となったのです。 場合によっては連帯責任になることもあったので、販売業者のほかに酒造業者も罰をうけることもありました。お互いの結束が固い分、それだけ責任も重たい、 ということになります。 現在、日本をはじめとして酒税法や酒の製造方法についていろいろな法律が施行されています。人々にとってなくてはならないもののひとつではありますが、ル ールを守った上で飲むものは、格別に味が違うはずです。 法律絡みで最後に一言。 「お酒は二十歳になってから」。(^^)。 |