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〜門外不出の書物たち/教会が下した「禁書」〜


中世のカトリック教会では、聖書を中心とした書物を多く所蔵していたのはご存知かと思いますが、教会理論にそぐわない書物も陰ながら存在していました。 これらは宗教上そぐわない書物と異端視され、教皇パウルス4世の命令により、 異端的な書物の一覧表が作られました。これが教皇庁最初の公式「禁書目録( Index librourum prohibitorum)」 (通称 Index)です。
対象としては、魔道書や思想理論書など危険な思想をもった書物がありましたが、 とかく厳しかったのが宇宙論について書かれたもので、ガリレオ=ガリレイが著 した「天球回転論」(1615年)はその目録としては最初に指定されました。
同様 に、占星術に関する内容を記載した「ヘルメス文書」も同様の扱いをうけること になりました。

1600年代というと、錬金術などが発達しはじめる頃で、科学の研究が飛躍的に向上される時期でもありました。今まで聖書の教えの中でしかわからなかったこと が、少しずつ明らかになっていくのを恐れた教会側は、「反理論」と指摘して、 徹底的な弾圧を加えたのです。 これらの禁書目録の作成は、1900年代前半まで続けられました。

2000年を目前にしてやっと教皇庁の公文書が公開され、過去の審議が改めて見直されているとい うことです。


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