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〜人々のかけがえのない存在/中世の動物達〜


「中世ヨーロッパの時代にいた動物といえばなんですか?」という質問に、貴方はどのように答えますか? 
ぱっと思い浮かぶものだと、犬・ネコ・豚・馬・アヒル などではないでしょうか。これらの動物は、実際に当時の絵画などにもしっかり残っています。犬は狩りをする際に必要なパートナー、馬は人の強力な足になり ましたし、豚やアヒルも同様に人々にとってなくてはならない存在でした。 他の動物達は、中世の世界にいたのでしょうか?

まず、凶暴なイメージがあるクマ。野生もいましたが、たいていは大道芸の一員として小さい頃から調教されていたので、専らお祝い事などに街にでては人々を 楽しませていました。現在のサーカスと同じ感じですね。
鳥類ですと、タカやフクロウなどがよく登場します。犬と同じく、狩りをするときに連れて行くことが多かったようです。貴婦人達を狩りの場に連れて行くとき にも同行させ、彼女達の目を楽しませていたようです。

さて、ではキリンやゾウなどの、いわゆるヨーロッパ以外に生息する動物はどうでしょう? 記録によると、実際にキリンやゾウは中世の世界に存在していました。でどこは やはりアフリカで、当時有効関係を築いていた国々(エチオピア・パレスチナなど )からわざわざこのような動物を連れてきて、飼育していたというのですからこれまた驚きです。

街の中にはいつしかヒョウやライオンなども出歩くようになりました。しかし、さすがに放し飼いにすると町中が大混乱になる可能性があったの で、きちんと厳重な体制にしていました。が、たまに飼育員のミスで突然街中に飛び出すこともしばしばあったようです。 動物に関する法律・規約は国ごと・時代ごとにありました。

納得できるものもあれば「?」と疑問視したくなる法律もしばしば。例えば、1300年代のスイスでは、 卵を産んだ罪として雄鳥が死刑になったり(本来は雌鳥がこの役目をするため、悪 魔の手先とされた)、同時期のパリでは豚飼育禁止令がでたりといった感じです。


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