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〜中世は暖かかった?/中世温暖期の存在〜


中世の時代は約800年〜1500年後半までと、広い時代を指します(※あくまでも目安ですので、人によって区切りは若干異なることがあります)。その約700年の間、 ヨーロッパ全体の気候などはどのようになっていたのでしょうか。

当時の記録や民俗関係の資料をざっと見ていくと、窓についての記述がでてきます。窓があることにはあるのですが、木枠の窓がほとんどだったので、開け閉めの調整が容易ではありませんでした。夜などは、閉めれば閉めたで中の煙などが 充満するし、かといっておおっぴらに開けると風が吹きこんできて、かなり寒い思いをします。
それでは外の気候はかなり冷え込んでいたのかというと、そうでもなかったよう です。人々は素裸でベッドにもぐっていましたし、その際使っていた掛け布団も数枚重ねていたので「凍えるほどに寒かった」というわけではなかったようです。

1000年〜現代までの、ヨーロッパの気候の変化を記したグラフをみて検証すると、 1100年に入ってから一時的に平均気温があがり、1200年には逆に下がり始めてい ます。その後の時代も、微妙に上がったり下がったしていますが、1400年代半ばぐらいまでは0.1〜0.3℃ほど気温が上昇していることが分かります。
この間の気候帯を「中世温暖期(Medieval Warm Period)」と呼んでおり、ヨー ロッパ全体を通してすこし暖かかったということになります 1500年代に突入すると、ぐっと気温が下がり、-0.3℃ぐらいまで落ち込みます。
1600年から少しずつあがっていきますが、中世温暖期に比べれば平均気温は下がっています。この時期を「小氷期(Little Ice Age)」と呼んでおり、1900年代初 頭に入るまで続きました。

ただ、この「中世温暖期」については諸説がさまざまあり、明確な確定とはいえ ないとの見解があるので、ご参考程度にして頂ければと思います。

参考サイト: NOAA Paleoclimatology Global Warming
http://www.ngdc.noaa.gov/paleo/globalwarming/medieval.html


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