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〜日中の街は大賑わい/大きな街の一日〜


「城下街」と聞くと、どんなことを思い出しますか? 馬で行き交う道、露天商 の列、絶え間ない賑やかな主婦の声…と、いろいろあると思います。 当時の状況もこれらとさして変わりはありません。
街の通りは実に賑やかでした。 時を告げる鐘が鳴り響くと、野菜や果物、魚、肉、パン屋などが軒を連ね、次第 に人々の数が増えていきます。洗濯に出かける主婦、勧誘している店の人、慌て て学校に向かう学生の後ろ姿、手袋をしっかりはめて往診に出かける医者…と、 さまざまでした。

人間だけの世界かと、もちろんそうではありません。馬をはじめブタ・犬・ニワ トリなど、家畜たちも通りを我が物顔で歩いていました。とすると、どうしても おこってしまうのが一種の「渋滞」。当時の道は大きいところでも現在と比べる と狭い感じで、さらに道自体がごちゃごちゃした状態なので、馬で街を練り歩こ うものなら相当な覚悟が必要だったはずです。確かにブタの親子が前方を走って いると自然にゆっくりになりがちですね。

また、古代ローマのように下水道システムはあまり成立していなかったので、道 の途中で垂れ流し、というのもしばしばでした。中世後半〜ルネサンスあたりに なると、その異臭さにさすがのロンドンの人々もたまげてしまったようです。 この話は、あくまでも比較的大きな都市にみられるもので、他の村や小さい町な どではしょっちゅう山賊に教われることがあったようです。特に夜間ともなると 盗賊達の「お仕事の時間」でもありますから、人々は一斉に窓を閉めて、家の中に閉じこもっていたそうです。


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