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〜はしゃぎにはじゃぐ、洗濯女/洗濯の常識〜


最近では、夜でも回せるように静かな音で動く全自動が流行っております。お仕事などから帰ると、どうしても回しにくいのが実情ですよね。洗濯機もそうとう 進歩したものです。 と、そんなことはいいとして、今回は当時の洗濯についてのお話です。

以前、このメルマガで「当時の人はあまり洗濯しない」と明記しましたが、その理由のひとつとして、衣料(布)の貴重さがあります。上級階級ならまだしも、 一般庶民、ましてや自給自足で賄っている地方の農民達にとって、布は非常に貴重なものでした。一度洗濯してしまうと、布がいたんでしまい修復するのが大変困難になります。下着は定期的洗っていたようですが、それ以外は滅多に洗うこ とはありませんでした。
それでは、実際の洗濯はどのようなものだったのかというのをちょっとみていきましょう。

洗濯をするのは大体が「洗濯女」と呼ばれている、上流階級の屋敷に所属する使用人です。彼女達は領主達が着ている衣服全般を洗濯する役割を持っているのですが、賃金自体は使用人の中でも安い方でした。 基本的には、近くにある川でジヤブジャブと洗うのですが、その時たまに「洗剤」 のようなものを用いていました。
記録によると、この時代からアルカリ性の溶液 を使用していたようです。その他にも衣類の種類によってさまざまな「洗剤」を 使い分けています。 例えば、高価な毛皮などはワインなどを元にした特別なものを使用し、むやみに叩いたりしなかったそうです。

と、一見のほほんとした感じですが、洗濯女達はとにかくおしゃべり。バシバシ衣類をたたきながらガハハハと井戸端会議をしていたので、案外近所迷惑な存在だったようです。 やはり洗濯には若干の騒音が必要なのかも…しれませんね。


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