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〜銀のナイフは持参の上で/食事のマナー〜


ステーキやコース料理などを食べる時、必ずといっていいほどあるのがナイフとフォーク。ファミリーレストランなどでは、カゴに入ったナイフなどがあって、 自由に使えるようになっているところもありますが、きちんとナイフは使えていますか? 案外ちゃんとした形で使っている方は少ないようです。

はてさて、当時の世界は、というと前にもこのメルマガでご紹介したように、手で食べるのが主流でした。これは庶民も、貴族もさして変わっていません。ただ、切り分ける必要があるお肉などについてはナイフを使っていました。 たいていは、食事をこしらえたシェフが大きなナイフ(というより包丁ですね) でダイナミックに切り分けて客人に差し出します。それでも大きな場合は、個人で切り分けていました。

中世後期になると主催者の方でナイフを用意することがありましたが、そのまま持ってかえる人もいたので、なるべく用意せずに、自分で用意してほしいとお願 いしたところがほとんどだったようです。
個人用のナイフは銀でできていて、人によってはイニシャルを彫ったり、装飾を ハデにしたりとさまざま。これは食事の時だけでなく、他にも使用用途があるかもしれない場合に備えて日頃から常備していたようです。比較的大きな街にすむ女性も、小さな銀のナイフを持ち歩いていましたし、十字軍なども遠征の際に必ず持っていたということですから、それだけ大切なものだったのでしょう。


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