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〜仕事のあとの最高の一杯/ビールとエールのお話〜


春もうららか、な季節となってまいりました。野球シーズンもはじまったことですし、つられてビールもおいしくなってきたことでしょう。最近ではライバル社 がすごい火花を飛ばしまくるぐらい発泡酒競争が激しさをましています。確かに 安くておいしいですが、やはり生ビールには勝てないでしょう(独断)。

さて、中世の時代にある「お酒」というと、ワインというイメージが強いですが、 当然ビールやエールなどもあり、酒場で仕事帰りの農夫や商人達が飲んでいまし た。この風景は現在でも同じものだと思います。
そもそもビールの歴史は非常に古く、古代エジプト時代にまでさかのぼります。 原料である麦(この時代は麦パン)を発酵し、醸造していく技術は古代に存在し たのです。その後、古代メソポタミア・ローマ、そして中世ヨーロッパの世界にも広がっていきました。

最初、ビールは「薬用」の飲み物として病気がちの人々が飲んでいました。エジ プトとは当然気候や温度・湿度が違っていたのでやや異なった飲み物であること は否定できないようです。その後、一般の人々、特に下層階級である農民や商人 達がこぞって飲んでいました。
この時代の特徴は、スパイス(ハーブなど)をふ んだんに利用した点です。中世の飲み物レシピの中に「ヒポクセテスの袖」とい う飲み物がありますが、あつく熱したワインにハーブやスパイスをいれてピリッと辛くしていくというものです。ビールも同様に、ピリッとした感触を求めてい たのかもしれません。
ちなみに、ドイツでは昔からの名残か、現在でもビールをあたためる道具があり、実際に使っている人も多いようです。

多くの人々に飲まれてきたビールですが、製造方法については苦労に苦労を重ね ていた記録が残っています。微妙な温度・湿度によってはビールとして生成でき ないという点から、比較的高い値段で販売されていました。
それとは対照的に、 簡単に醸造できるアルコールとして登場したのがエール(ale)です。イギリスで 独自につくられたビールの一種で、室温で飲むのが一般的です。 日本でも、エールは大量にどまわっていますので、一度試されることをおすすめ します。
ただし、種類によってかなりクセのあるものもあるのでお気をつけを。 最後に、お酒の量はほどほどに。薬用といえど、飲みすぎは体を壊すもとになり ますからね(笑)。


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