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〜市場の掟はただならぬもの/市場法のあり方〜


ヨーロッパの朝市はいつも人でにぎわい、ごったがえしています。とれたての野 菜や果物をかじりながら、魚や肉、加工品に目をかたむける。総合食品を扱うス ーパーとはちょっと違う雰囲気にひたれます。

さて、中世の時代はどうだったのかいうと、現代とあまり代わってはいませんで した。が、非常に厳しい「法律」に縛られていました。 市場では最大級のものとして君臨していたのがイギリス・ロンドンです。
ここでは国内の作物から外国の輸入品など、実にさまざまな物品を取り扱っていました。 量があるのはいいのですが、ただでさえごったがえしている場所。怪しげな取り引きが行われているのはいうまでもありません。 そこで、「市場法」という法律をきちんとつくっておくことになりました。

この市場法、一見いいと思いがちですが、実に細かく分化されており、逆に商人 達を苦しめる法律にもなっていったのです。 例えば、魚類の販売時間。午前10時から予め定められた場所で売らなければなり ません。
さらに漁をした場所によって販売場所が決められていたので、商人達は あちらやこちらやと翻弄される日々が続きました。

もし規則を破った場合、厳しい処罰が待っていました。江戸時代の処刑前のごと く街中ひきまわされたり、大広場で足かせ首かせをさせられて一日人々の見世物 にされたり、と。 また、どんな罪で捕まったのかが分かるように、パンの分量を怠った者には固い パンでつくられた首飾りを、腐った肉を販売した者にはその人を体にぶらさげたりしていました。

罪を犯した人に対してこのような処置を与えることは、人々に とても脅威であり、またきちんと法律に従わなければならないということでもあ ったのです。 こう見ていくと、現代がいかに幸せな時代なのかが分かる気がしますね。


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