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〜1年のはじめと終わりの十二日節前夜祭[トゥエフルス・ナイト]〜


当時のクリスマスは1日だけでなく、期間を定めていました。地域によってその期間はまちまちですが、たいていのところは12月24日のイヴ〜翌1月6日の十二日節 であるとされています。ただ、実際は6日の十二節よりもその前日の十二日前夜節 [トゥエフルス・ナイト]が重要視されていました。

この「十二節」の12という数字、キリスト教では神聖な数字として現代の生活に も様々な影響を与えています(もともとはイエス・キリストに仕えた12人の弟子 の数から始まったと伝えられています)。 周りにある「12」という数だと、「月(1〜12月)」、「時(0〜12時)」、電話 のボタン(0〜9、*と#)などがあげられますね。 普通、お祭りの儀式にはその場をとりしきる儀典官(Surveyor of Ceremonies)がおり、主賓席の主人のもと事の次第を進めていくのですがこの祝典だけは主賓席の主人はおりません。
予めテーブル中央に出された「トゥエフルス・ケーキ」の中に入っている「豆」をひいた者がその祝典の主人となるわけです。 男性と女性を1人ずつ決め、一日限りの主賓席に座ってもらいます。彼等を「豆の王様、豆の王妃様」と呼んでいました。くじびきっぽい感じですね。

その他にも中庭や大広間の中に設けられた12の薪を囲んで乾杯の音頭をとる「トゥ エフルズ・ナイトファイヤー」、聖ジョージの活躍をたたえた活劇「ママーズ・ マミングス」(「マミング」とは仮面などをつけた役者のことをさします)、儀 式っぽい戦いのゲーム「オレンジとレモン」など、実に様々なイベントが夜中中繰り広げていました。 やがて夜があけ、光輝く日の出が出た時。 長く楽しかったクリスマスは終わりを告げ、イースターの準備にとりかかってい きます。


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